🎵 音楽 きりばり エディター 使い方(先生向け)

波形を見ながら、音楽を「切る・つなぐ・貼り合わせる」ためのアプリです。運動会・学習発表会の曲を、必要な長さに整えるときに使います。

1. このアプリについて

音声ファイルを読みこんで、波形(音の大きさのグラフ)を見ながら、いらない所を切ったり、別の場所に貼ったり、ほかの曲とつないだりできます。最後に WAV ファイルとして保存します。

はじめの画面
はじめの画面。音声ファイルをドロップするか、「ファイルを開く」を押します。「ためしの音で 使ってみる」で、練習用のドレミが読みこまれます(著作権の心配のない自作の音です)。

2. 用意するもの

配信サービスの曲など、コピーガードの付いたファイルは読みこめません。授業・行事のために先生が用意した CD の録音データなどを使ってください(→ 13. 著作権)。

3. はじめての編集(基本の流れ)

  1. ファイルを開く で音声ファイルを選びます(画面にドラッグ&ドロップしても読みこめます)。
  2. 波形の上をドラッグして、切りたい所を選びます。
  3. ▶ 再生 で聞いて確かめ、上のボタンで切り取り・削除などをします。
  4. うまくいかなかったら ↶ 戻す で元にもどします。
  5. 仕上がったら 書き出し(WAV) でファイルに保存します。
このアプリは、編集の途中を自動では保存しません。ブラウザを閉じたり、ページを読みこみなおしたりすると、編集は消えます(編集中に閉じようとすると、確認が出ます)。必ず最後に「書き出し」で保存してください。

4. 画面の見かた

編集の画面
編集の画面。薄い青が「選んだ範囲」、オレンジの線が「カーソル」(貼り付けや挿入の位置)です。
いちばん上「ファイルを開く」「書き出し(WAV)」「使い方・著作権」。今開いているファイル名と、編集中かどうかも出ます。
ボタンの列再生・印をつける・切り取りなどの編集・フェード・戻す。使えないボタンはうすく表示されます(たとえば範囲を選ぶまで「切り取り」は押せません)。
全体図(細い帯)曲全体の形。枠の中が、いま下に大きく見えている部分です。帯をクリック/ドラッグすると、その場所へ移動します。
目盛り(ものさし)時間の目盛り。拡大するほど細かくなります。
波形上が左(L)、下が右(R)のステレオ。モノラルの音は 1 段だけです。
紫の ▼ と縦線つなぎ目です。切ったり貼ったりしてできた、音がつながった場所に出ます。
いちばん下数字の欄・拡大のボタン・オプション(→ 5)。
ボタンの列
上のボタンの列。左から「再生まわり」「印」「切る・貼る」「フェードなど」「戻す・やり直し」です。

5. 範囲をえらぶ・細かく合わせる

えらびかた

拡大・縮小

⌘(Ctrl)+ホイールマウスの位置を中心に拡大・縮小。トラックパッドのピンチ、タブレットの 2 本指でもできます。
+ / -画面下のボタン、またはキーボードの + -。
全体曲全体が画面に入る大きさにもどします。
選択に合わせる選んだ範囲が画面いっぱいになるように拡大します。
最大いちばん拡大します。1 サンプルずつ、点と線で見えます。
たて(×1〜×16)波形のたての倍率。小さな音の形を見たいときに大きくします。
ホイール/横スクロール拡大した画面を左右に動かします。
最大に拡大した画面
「最大」に拡大した画面。小さな四角が1サンプルで、目盛りは 0.0001 秒きざみです。縦の細い線がサンプルの区切りです。

数字で位置を決める

数字の欄
画面の下の数字の欄。

オプション(画面の下)

ゼロ点に吸着クリックやドラッグで位置を決めたとき、近く(約5ミリ秒以内)の「波形が 0 を横切る点」に位置を合わせます。切ったつなぎ目で「プチッ」と鳴りにくくなります。
数字を打ちこんだときは、吸着せず入力した位置のままです。
つなぎ目のプチッ音をおさえる切ったり貼ったりしたつなぎ目の前後 3 ミリ秒だけ音量をしぼります(はじめからオン)。耳には分からないほどの短さです。つなぎ目をサンプル単位でそのままつなぎたいときだけ、オフにします。

6. 切る・貼る・つなぐ

範囲を選んでから、上のボタン(またはキー)で操作します。

✂ 切り取り
⌘X
選んだ所を取り除いて、前後をつなぎます。取り除いた所は「クリップ」に入ります。
⧉ コピー
⌘C
選んだ所をクリップに入れます(元の音はそのまま)。
📋 貼り付け
⌘V
クリップをカーソルの位置に入れます。範囲を選んでいるときは、その範囲と置きかえます。貼った所が選ばれた状態になるので、そのまま聞いて確かめられます(続けて貼るときは → 11-⑤)。
🗑 削除
Delete
選んだ所を取り除いて、前後をつなぎます(クリップには入りません)。
⬚ ここだけ残す選んだ所だけを残して、前後を全部取り除きます。曲の一部分だけを取り出すときに使います。
↶ 戻す/↷ やり直し⌘Z / ⌘Shift+Z(Windows は Ctrl+Z / Ctrl+Y)。300 回まで戻れます。
貼り合わせたあとの画面
「0.5〜1.0秒」を切り取り、2.5 秒の所に貼り付けたあと。紫の ▼ が、つながった場所(つなぎ目)です。貼った所が青く選ばれています。
つなぎ目は「つなぎ目を試聴」で必ず聞いて確かめましょう。カーソルの前後 2 秒が流れます。不自然なときは「戻す」で戻し、切る位置を少しずらしてみてください(拍やリズムの切れ目、音がいちばん静かな所が、つなぎやすい位置です)。

7. フェード・無音・音量

◢ フェードイン選んだ範囲を、小さい音から だんだん大きくします。曲のはじめに。
◣ フェードアウト選んだ範囲を、だんだん小さくして消します。曲の終わりに。
🔇 無音に選んだ範囲を無音にします(長さは変わりません)。
+無音カーソルの位置に、無音を入れます(秒数を指定)。曲のはじめに間をあけたいときに使います。
🔉 小さく/🔊 大きく選んだ範囲の音量を、押すたびに約 2 dB ずつ下げる・上げる。大きくしすぎると音がつぶれます(波形の上に赤い印が出ます)。
フェードは、選んだ範囲の長さで効き方が決まります。「ゆっくり消したい」ときは長く、「さっと消したい」ときは短く選びます。

8. 聞いて確かめる

▶ 再生/■ 停止スペースキー でも操作できます。範囲を選んでいれば、その範囲だけが流れます。選んでいなければ、カーソルの位置から最後まで流れます。再生中に波形をクリックすると、その位置から流れます。
⇆ つなぎ目を試聴カーソルの前後 2 秒を流します。切った所・貼った所の確認に。
🔁 ループ選んだ範囲をくり返し流します。切る位置を探すときに便利です。
⟦ 始め点/終わり点 ⟧
I / O
聞きながら印をつけます。再生中に I を押した位置が選択の始め、O を押した位置が終わりになります(止まっているときは、カーソルの位置)。耳で「ここだ」と思った所に、すぐ印がつけられます。印のあとで、拡大して数字で微調整できます。

9. ほかの曲を入れる・貼り合わせる

曲がすでに開いているときに「ファイルを開く」でもう 1 つ音声ファイルを選ぶと、入れかたを聞かれます。複数のファイルをまとめて選ぶこともできます。

入れかたを選ぶ画面
2 つめのファイルを選んだときの画面。
カーソルの位置に挿入するいまの曲の、カーソルの場所に、そのファイルをまるごとはさみます。前後はつながります。
いちばん後ろにつなげるいまの曲の最後に、そのファイルをつなげます。
新しく開くいまの編集をすてて、そのファイルだけを開きます。
ほかの曲の「一部分だけ」を使いたいときは、先に「いちばん後ろにつなげる」で 1 本にしてから、いらない所を削除します(または「ここだけ残す」)。入れたファイルは選ばれた状態になるので、そのまま範囲を調整できます。

モノラルとステレオの音が混ざっていても、つなげられます(モノラルは左右同じ音になります)。録音のサンプリング周波数が 44.1 kHz でないもの(48 kHz など)は、読みこむときに自動で 44.1 kHz にそろえられます。

10. 書き出す(WAV で保存)

書き出しの画面
「書き出し(WAV)」を押した画面。
  1. いちばん上の 書き出し(WAV) を押します。
  2. 範囲を選びます。「全体」または「選んだ範囲だけ」(範囲を選んでいるときだけ選べます)。
  3. 音質を選びます。ふつうは 16 ビット(CD と同じ)で十分です。
  4. ファイル名を確かめて「保存する」を押すと、ブラウザの保存先(ふつうは「ダウンロード」フォルダ)に WAV ファイルができます。

11. よくある使い方

① 運動会のダンスの曲を、時間に合わせて短くする

  1. 曲を開き、「▶ 再生」で聞きながら、はぶいてもよい部分(2 番・間奏のくり返しなど)を探します。
  2. 再生しながら I(始め)→ O(終わり)で、はぶく範囲に印をつけます。
  3. 「選択に合わせる」で拡大し、はしを動かして拍の切れ目に合わせます。
  4. 削除 を押して、「⇆ つなぎ目を試聴」で聞きます。自然につながるまで、「戻す」→ 位置をずらす → 削除をくり返します。
  5. 最後にフェードアウトして、書き出し(WAV) で保存します。

② 曲の終わりを、自然に消す

  1. 終わりの 2〜4 秒をドラッグで選びます。
  2. ◣ フェードアウト を押します。
  3. 範囲を選んだまま再生して、消えかたを確かめます。ゆっくりすぎたら「戻す」で戻し、短く選びなおします。

③ 2 つの曲をつなげて、1 本にする

  1. 1 つめの曲を開きます。
  2. 「ファイルを開く」で 2 つめを選び、「いちばん後ろにつなげる」を選びます。
  3. つなぎ目(紫の ▼)の前後を「⇆ つなぎ目を試聴」で聞きます。
  4. はじめや終わりに余分な無音があれば、選んで削除します。必要なら、つなぎ目に「+無音」で間を入れます。

④ 曲の中の、必要な所だけを取り出す

  1. 取り出したい所を選び(印は I / O でも)、位置を細かく合わせます。
  2. ⬚ ここだけ残す を押します。
  3. はじめと終わりにフェードをかけて、書き出します。

⑤ 同じ部分をくり返したい

  1. くり返したい所を選んで コピー します。
  2. 貼りたい場所をクリックしてカーソルを置き、貼り付け を押します。
  3. 貼った直後は、貼った所が選ばれた状態です。このまま貼り付けを押すと「置きかえ」になってしまうので、← と → を1回ずつ押します。選びが外れて、カーソルが貼った所のすぐ後ろに置かれます。
  4. もう一度 貼り付け を押します。(3.→4. を、必要な回数くり返します)

12. キー操作の一覧

Windows では ⌘ のかわりに Ctrl を使います。

スペース再生/停止
I / Oいまの位置を、選択の「始め」/「終わり」にする
⌘X / ⌘C / ⌘V切り取り/コピー/貼り付け
Delete(Backspace)選んだ範囲を削除
⌘Z / ⌘Shift+Z(Ctrl+Y)戻す/やり直し
⌘A全部を選ぶ
⌘Oファイルを開く
← →カーソルを「◀▶の幅」だけ動かす
Shift+← →選択の終わりを動かす
Alt(Option)+← →選択の始めを動かす
+ / -拡大/縮小
Home / End曲の最初/最後へ
Esc開いているダイアログを閉じる

数字の欄に文字を入力しているあいだは、これらのキーは効きません(Enter か Esc で欄を出てから使ってください)。

13. 著作権・使うときの注意

このアプリ自体に、他人の曲や音は入っていません(ためしの音は自作のドレミです)。問題になるのは、どんな曲を編集して、できたファイルをどう使うかです。(2026 年 10 月時点で調べたまとめです。法律の専門家の見解ではありません。)

学校の中で使う(だいじょうぶな例)

してはいけないこと・注意すること

  • ネットに公開する(学校ホームページ・YouTube・SNS など)。学校ホームページへの掲載は「授業の過程」にあたらず、35 条の対象外です。行事の動画に市販の曲をつけて公開することも、原則として許諾が必要です。
  • 配る・売る。編集した音源を、保護者や他校に配るのは、授業の範囲をこえます。
  • コピーガードを外して取りこむ。配信サービスの曲を録音ソフトで取りこむなど、保護を回避した複製は、私的使用でも認められません(30 条 1 項 2 号)。違法と知っていて海賊版からダウンロードしたものも同じです。
曲を短くする・つなぐ(改変)について。作者には、曲を勝手に変えられない権利(同一性保持権・20 条)があります。行事の時間に合わせて短くするような編集は、「やむを得ない改変」(20 条 2 項 4 号)にあたると考える余地がありますが、これをはっきり認めた判例や公式な見解は、見つかりませんでした。曲の印象を大きく変える加工や、作品として公開することは避けてください。

参考:文化庁「学校における教育活動と著作権」/SARTRAS「改正著作権法第35条運用指針」/著作権法 20 条・30 条・35 条・38 条。判断に迷うときは、教育委員会や JASRAC などの権利者団体に確認してください。

14. こんなときは

ファイルが読みこめないコピーガードの付いたファイルや、ブラウザが対応していない形式は読みこめません。別の形式(wav・mp3 など)に変えたファイルで試してください。
つなぎ目で「プチッ」と鳴る① 「ゼロ点に吸着」をオンにして位置を取りなおす。② 「つなぎ目のプチッ音をおさえる」がオンか確かめる。③ 切る位置を、少し前後(数ミリ秒)にずらす。
つなぎ目が不自然に聞こえる拍の途中で切っていませんか。拍の頭や、音が切れ目になっている所(息つぎ・音のあいだ)を探し、「⇆ つなぎ目を試聴」で聞きながら位置を直します。
編集したのに消えたこのアプリは自動保存しません。ブラウザを閉じる前に「書き出し(WAV)」で保存してください。
貼り付けのボタンが押せない先に「切り取り」か「コピー」をして、クリップに音を入れてください。クリップの長さは、ボタンの列の右に出ます。
ボタンがうすくて押せない範囲を選んでいないと使えないボタンです。波形をドラッグして範囲を選んでください。
音が出ないパソコンの音量・スピーカーの接続を確かめます。再生ボタンを押すまで、ブラウザは音を出しません。
波形の端に赤い印が出た音が大きすぎて、割れている(クリップしている)部分です。「小さく」で音量を下げてください。
長い曲で動きが重いとても長い録音(10 分をこえるものなど)は、読みこみや書き出しに時間がかかったり、重くなったりすることがあります。必要な部分だけを先に別ファイルにしておくと、軽くなります。
mp3 で保存したいこのアプリは WAV だけに書き出します。mp3 が必要なときは、別の変換ソフトを使ってください。